あしたのジョー 全20巻 高森朝雄×ちばてつや

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『週刊少年マガジン』連載中から社会的反響は大きく、ジョーのライバルである力石徹が作中で死んだ時には、架空の人物であるにも関わらず、寺山修司の提案で天井桟敷のメンバーにより東由多加演出による葬儀が行われた(1970年3月24日、講談社講堂にて)。また1970年3月31日に発生したよど号ハイジャック事件では、ハイジャック犯が「われわれは明日のジョーである」(原文ママ)と声明を残している。さらに、辰吉丈一郎をはじめ現実のボクシング界にも大きな影響を与えた。これら社会的反響の大きさから、「戦後最大のヒットマンガ」の1つに数えられ、劇画路線にシフトした昭和40年代の『週刊少年マガジン』を「巨人の星」とともに支えた。本作以降のボクシング漫画は、全て本作の影響下にあると言われている。タイトルは原作者が井上靖の「あした来る人」を読んでいて、そこから閃いたものである。東京・山谷のドヤ街に、ふらりと一人の少年が現われた。矢吹丈(ジョー)と名乗るその少年に一方的に叩きのめされたアル中の元ボクサー・丹下段平は、ジョーと地元暴力団・鬼姫会の連中との乱闘から天性のボクシングセンスを見いだし、一流のボクサーに仕立て上げようと口説き始める。しかしジョーは、自分に向けられる段平の情熱を利用し、小遣いをもらってはドヤ街の子供たちを引き連れて乱行を繰り広げた揚げ句、犯罪にも手を染め、警察に逮捕されて鑑別所へと送られてしまった。そんなジョー宛てに段平から「あしたのために」の書き出しで始まるハガキが届いた。その内容は、左ジャブの打ち方から始まるボクシング技術の講義であった。時間と体力を持て余していたジョーは、そのアドバイスに従ってボクシングの練習に身を入れるようになり、やがて自分のパンチの切れが、今までと比べものにならないほど向上していくのを実感する。ボクシングに対する苦悩の末、強敵カーロスとのスパーリングで顔面を打てないという後遺症を乗り越えて復帰を果たし、遂に、世界チャンピオンの座を賭け最強のボクサー・ホセ・メンドーサとの闘いに挑んだ。しかし、パンチドランカーに冒されていたジョーは、善戦むなしく判定負けを喫し敗れ去る。試合後、ジョーはグローブを葉子に渡した。灰のように真っ白に燃え尽きたジョー。しかし、その顔には満足げな微笑みがあった。漫画喫茶で使用していたタメ経年劣化あります。
カテゴリー:本・雑誌・漫画>>>全巻セット>>>少女漫画
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